外の世界へ

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今日はどうぞ、よろしくお願い致します。彗星マジックの勝山さんにお話しを伺います。最近、勝山さんはどんな感じでしょうか。
勝山 
よろしくお願いします。この間までメルボルンに行ってたんです。価値観変わるかなと思ってたんですけど意外と何も変わらなかったのがびっくりしました。国によって空気が違うとか異文化を感じるとか言われるじゃないですか。自分にどんな影響があるのか興味があったんですけど、去年台北に行った時に思ったのは「あ、裏なんばや」、と。どこまでも続く裏なんばだったんです。自分が知ってる場所が広がっている空間だったんですよ。
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勝山さんは、人種や民族による違いよりも人間の共通点を見いだすことができるから、じゃないでしょうか。
勝山 
ええこと言うてくれますね。
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メルボルンにはどのような。
勝山 
2017年に作ったプシュケという作品を、メルボルンフリンジフェスティバルで上演しに行きました。和田雄太郎の一人芝居です。相内さんがINDEPENDENTの一人芝居を世界に打ち出す気満々で、まずはノンバーバル作品であるプシュケで切り込んで行こうとしておりまして。
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広がっていっていただきたいですね。
勝山 
大苦戦でしたけどね。お客さんがなかなか来ないというのがまずはあって。宣伝のしようがないんですよ。新しい場所に出て行くのも必要なんですけど、一つの場所にこだわるのも同じぐらい重要なんだなと思いました。台北に行った時の経験値はほぼメルボルンでは通用しなかったんです。もう一度行きたいですね。続けていければいいなと思っています。
1彗星マジック
そんな国が隣にありそうな、昔こんな時代があったような、
未来こんなことになりそうな、そんな空想のリアルが
念頭にある無国籍ファンタジーを基盤に物語をつむいでいます。
見上げると、目が痛くなるような青空に浮かぶ大きく厚い雲の中にはきっとラピュタがあるんだ、
ずっと使ってきた時計や万年筆には魂が宿っているに違いない・・・
そういった思いを大切にする作品をこれからも発表していけたらなあ、と思っています。
が、
実は大体、何でも有りです。
「面白い作品を作る」
だけです。
座長・勝山修平
(公式サイトより)

彗星マジック23景「詩と再生」 2

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彗星マジック23景「詩と再生」ですね。大変楽しみです。いま稽古はどんな感じでしょうか。
勝山 
顔合わせというものをショートカットしまして、もう稽古に入っている状態です。でもまだお芝居の稽古は3割で、7割は喋ってます。客演さんのうちオーディションで選ばせていただいた方が半分という、ほとんどの人が初めてご一緒するという状況で。
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今回はどんな作品になりそうでしょうか。
勝山 
人に興味を持つのって、どこから始まるんだろう・・・ということがわからなくなるという時期に今僕自身が入っていて。そういう、興味の方向性ってよく分からないなぁということから始まる芝居が書きたいなと思ったんです。うまいことコミュニケーションができないところから始まるお芝居。それが、詩という表現を行うことによって、自分自身を知って、書いた人への興味と共感が生まれていく芝居が作れたらいいなと思っています。
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詩って面白いですよね。
勝山 
全然興味がなかったんですよ。好きな詩は何ですか、と聞かれたら宮沢賢治の詩(「サキノハカといふ黒い花といっしょに」という詩です)ぐらいで。あとは谷川俊太郎をパラ見するぐらいで。どうですか。
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ボードレールとかは好きでしたね。詩や俳句の作品にはあまり詳しくないですが、短文の作品から見て取れる、作家の意識とかそういうものに興味があると思います。
勝山 
僕もね、詩には何一つ心を動かされないですよ。ただ、詩を書いた人には興味があって。その辺りの背景を知った後に詩を読むと、なるほどな、面白いな、と。ポストグラフの時にも思ってたんですが、僕は完成品ではなくそこに至るまでの人間とか人生がおもろいんやろうなと思っています。そこが描けたらいいんですが、まあ難しい。
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ポストグラフの2015年の上演の絵画を見るシーン。絵画が「黒い木枠の中に、画家が演じる俳優がいる」という形で表現されていましたね。それをちょっと思い出しました。
勝山 
多分、ああいうことをやりたいんでしょうね。「アルバート、はなして」というアインシュタイン博士の人生を取り上げた作品を作ったんですが、相対性理論そのものには僕はあまり興味がなくて、そこにたどり着いたあの人はどんな人なのかということが面白い。
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彼らの成した仕事が誰か一人の人間を救う、みたいな事がありますよね。「チムニースイープ・ラララ」でもそうだった。
勝山 
脚本を書いてて、昔から、セリフが好きだとおっしゃってくださる方は多いんです。ただ、僕自身はセリフには何の愛着もなくて。所詮台詞なんですよね。所詮、役者が自分の役を作って生きていくためのとっかかりにすぎないんですよ。とっかかりでしかないものにお客さんが敏感に反応してくれることがすごく嬉しい反面、もっと役者さんを見て欲しい、なぜあの時にあの表情なのか、とか。でもやっぱりセリフの方に着目されるんですね、それはやっぱり役者さんが自分のセリフをものにしてるからだと思うんですけど。
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個人的には、立花裕介さんの演技が、セリフを上手に持っていきながらも、勢いとか人間性をテキストに沿った形で暴れさせているのが素晴らしいなと思う。
勝山 
ああ、そうですね。花さん、彼の事をそう呼んでるんですけど、僕のセリフを言うために生まれてきたと思ってるんです。彼は客演さんだし、劇団員だったとしても絶対にうまくいかないと思ってるんですけど(昔はすぐに喧嘩していたので)でもうちの芝居にすごく合ってる。台本書いてる人としては、どんな人にもそうあってほしいです。今回出てくださる福田さんとかもめちゃくちゃうまいんですよ。化け物かというぐらい。みんなそういう風に自然に自分の言葉を喋れるような演出が出来たらめっちゃ気持ちいいだろうなと思います。そのための稽古で会話が7割です。
2彗星マジック23景「詩と再生」
脚本・演出:勝山修平

出演:池山ユラリ(彗星マジック)・上田あやみ・小谷地希(凡タム)・田米カツヒロ(舞夢プロ)・鳩川七海(YTJプロ/幻灯劇場)・早川夢(?2劇場)・福田恵(劇団レトルト内閣)・南愛美・米山真理(彗星マジック)

10月25日(金)19:30
10月26日(土)14:00/19:30
10月27日(日)11:00/15:00

料金: 前売ご予約  3,000円 当日 3,300円 学生 1,500円(前売・当日ともに)
※受付にて学生証をご提示いただきます

作・演出・宣伝美術:勝山修平(彗星マジック)
プロデューサー&テクニカルワーク:相内唯史(at will)
衣装:西出奈々(彗星マジック)
当日運営:渡辺大(Limited_Spaice)
企画・製作:彗星マジック

会場:
インディペンデントシアター 1st

どこまで進むか問題

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彗星マジックの作品には、何と言うか、お話の設定(この言い方はあんまり良くないと思うんですがあえて使います)と物語の流れに微妙なねじれが存在するように思います。「ポストグラフ」の時、お嬢がいつのまにか物語に介入してくるじゃないですか。お話の流れと設定がちょっとずつ、攘夷の流れとともに矛盾をはらみながらも変わっていくのがすごく面白かった。
勝山 
それは、こっちが伝えたいことを全部拾ってくれてとても嬉しいです。あの話はエンディングからスタートしていて。お嬢が読んでいる手紙の中のお話なんです。お嬢がその手紙にどんどんのめり込んでいくにつれて、お嬢がその世界に入っていくんです。
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つまり、お嬢の頭の中でもあるということですか。
勝山 
そう、お嬢が「こういう事なんやろうな」と思っている、ということでもあるんです。
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それは・・・台本が欲しくなってきましたね。
勝山 
全てを俯瞰で見れるのはお客さんだけ、というお話だったんですよ。
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そうした大胆な構成を仕掛ける事と、お客さんを面白がらせることについて、どのような折り合いを付けていらっしゃるんでしょうか。
勝山 
気をつけていることはあって、「高尚なことはやらない」ということはすごく意識しています。これが、詩が苦手だとか芸術作品が凄く良いとは思えないという原因だと思うんですけど、芸術は理屈がないと楽しめないですよ。誰かがコンテンポラリーダンスを見て面白いと思っても僕にはその理屈が分からないから楽しめないんです。わからないけれども、「多分良い」と思って出してもそれは味のぼやけた薄いコーヒーみたいになるんじゃないか。いわゆるエンターテインメントの演出であったりとか、照明や音響を変えていくであるとか、とにかくお客さんには退屈して欲しくないんですよ。話はよく分からなかったけど見た目は良かったとか、そこに流れている音楽とかで彼ら彼女らの心情が分かった、みたいな何かしらの救済措置を入れて作っています。でも結局僕も自分自身が好きなものは変に小難しく考えてしまうので、結果分かりにくくしがちなものになってしまうんですが…。難しいです。
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本当に難しいですよね。
勝山 
ともすれば奥に奥に行こうとしてしまうから。
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中間をとるみたいなことってよく言われますけど難しいですよね。
勝山 
わかりやすいものもわかりにくいものも全てが一つの作品に入っている、みたいなことができれば最高なんですけど。
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全体の仕組みを作って、階層が深くなり過ぎないようにしても、大きいレベルの事情でどうしても尺が揃わないとか、細かい単位に刻んで解説を入れたら今度はテンポが悪くなったり。
勝山 
エヴァンゲリオン、あるじゃないですか。僕はゼルエルが出てくるまでがめちゃくちゃ好きで。そこまで巨大ロボットものとして面白いし、深い謎がある感じとか、何も考えずに見ても深く考えても楽しめる。でも、その後から深く考えないと楽しめない作品になっちゃった。
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確かに!
勝山 
僕はその時にどれだけプロの人でも、ある一定のところまで進もうと思ったら、どこか他人には難しい場所に向かってしまうんだということがすごく腑に落ちて。どこで終わるべきなのかも考えるようになりました。
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どこで、未踏の地への進入を止めるべきかどうか。
勝山 
ある程度のところまで進んでしまえたとして、なお、それが全員に受け止めやすく、ついてきてね、と言う吸引力をもつにはどうすればいいんだろうか。今でも考えるんですけど、エヴァはどうすれば僕にとって幸せな作品になったんだろうということです。あくまで僕にとってですけど。
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TV版の最終回は確かによくわかんないことになりましたね。旧劇場版、私最近改めて見返したんですけど、意味が分からないくらい迫力があって面白かった。維新派のセットが出てきたり。でもネットの書き込みであるとか実写とかの仕掛けがなく、謎に没頭しきった旧劇は見てみたいですね。
勝山 
僕も旧劇場版は大好きなんですけど、心理描写がそのまま世界に影響しちゃって、どっちかどっちかわからないまま世界は進行していて。よくわからないけど何か深いところに着地したみたいなのがちょっと気持ち悪くて。
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そうですね。
勝山 
まるで急に強い光を当てられて「面白かったでしょ」って言われた感じで、眩しくてびっくりしたのが面白いということにつながるのかなあ、って思ってしまったんです。

もう一回

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勝山さんが演劇を始めたのには、どんな経緯がありますか?
勝山 
かいつまんで言うと、最初は漫画を書いていて。でも漫画というのは一人で描くものなのでとても孤独なんですよ。ある日、友達が演劇をしに北海道に渡ったんですよ。親に怒られるから札幌の大学に入学して演劇部に入って、さらにOBOGが作った劇団に客演で呼ばれたそうなんです。それはめっちゃ面白かったらしくて、修平見ろよ、と。無理やり見せられたんですが、めちゃくちゃ面白かったんです。僕はお芝居というものが面白いだなんて微塵も思っていなくて。そういう衝撃を受けてなおかつ、終演直後に拍手が来るんです。これは漫画では出来ない。描いて渡すまでに時差ができるので。しかも一人ではなく、みんなで作るんですよ。みんなで世界観を作って共有して一つのものを作って生で発表してその場で反応がもらえる。こんな幸福なコンテンツが世の中にあってもいいのかって思って。で、やろうと。そこで見た劇団が千年王國です。僕はお芝居というものはその瞬間特別であればいいと。終わったらもう夢みたいに忘れてもらってもいいと思ってるんです。見てる瞬間だけ楽しければいいじゃないですか。もう一度見ることはできない、だからこそ「もう一回」を求めてるんだと思います。
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再生性はないですね。
勝山 
繰り返し求めてしまう、でも、にもかからわず、特に必要ないと思えちゃうのもいいんですよ。僕は音楽も漫画も大好きで、人生を楽しめるものなんてこの世に溢れてるじゃないですか。しかもわざわざ僕が作らなくても他の人たちが良い演劇をたくさん作ってる。僕がわざわざやる必要がないですよ。そう考えるとやらんでいいことを企画して、で、それをおもろいと思ってくれた人が全力で乗ってきてくれる人がいて、さらに楽しんでくれる人がいてみたいなコンテンツは他にあまりないなと思うんです。
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確かに演劇はこの世に必要ないですね。
勝山 
演劇はよく言われてるように縮小してるかもしれないし、面白くないコンテンツとして受け止められつつあるのかもしれませんけど、僕は結構そういうのはどうでも良くて。
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同感です。
勝山 
プロだから面白くなければならないとかアマチュアだから面白くなくてもいいとかそんなの全部関係なくて、いま全力でやれるものがあるからには全力で取り組めばいいじゃんと思ってます。

たどり着く

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最近のテーマを教えてください。
勝山 
気を付けてることでいいですかね。「怒らない」こと。気が短いのがすぐ怒っちゃうんですよ。あと口が悪い。人をイラッとさせることをすぐ言うっちゃうんですよ。まず怒らないことから始めようと。
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なるほど。
勝山 
ちょっと前までは、相手より自分の考えの方が優れているという考え方がすごくあったんです。でも、それはお芝居を作る上ではあんまり良くない考え方だということにやっと気付いたんです。要は、言い方悪いなと。
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難しいところですよね。表現の仕事って、その裏側での管理や自律がめちゃくちゃ重要じゃないですか。良い緊張感を保つためには、はっきり言うこともやっぱり必要ですから。
勝山 
心も体もしんどいお芝居を作ることもあるじゃないですか。そういう時の表現が役者から発されない時、「しんどい思いをしたことがないからじゃないか」と思ってしまうんですね。だから稽古でしんどい思いをしてもらうために追い詰める形になって、結果的には良いものが出てくる。その道筋が当然やと僕は思ってたんですよ。けど、あるお芝居の時に最初から最後までゲラゲラと笑いながら稽古して、でも芝居ではちゃんと辛さ、苦しさが表現できたお芝居が作れたということがあったんですよ。「俺は何をやってたんや」と。同じぐらい良いものが作れるんだったら、楽しいルートを辿ればよかったのに、わざわざ苦しいルートを選んでいた俺は何やったんや。そう思った事もあったりして。
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そこにたどり着くために、怒ってきたというプロセスは必要だったんじゃないでしょうか。
勝山 
そう言ってくださるとありがたいです。
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マチズモが築いてきたも当然あると思う。価値観が変わっていく時代、それを否定しきってしまっていていいのだろうかと個人的には危ぶんでいます。
勝山 
今回の作品もその辺りを意識しているんですよ。苛酷な状況にいる時は自分を俯瞰することができないから、それがどういう状況なのかが分からない。その時代のリアリティとか考えていた事を伝えるというのはすごく難しい。現在の価値観も入ってくるから、プラスかマイナスかを解釈するところから始めないといけない。プラスもマイナスもなく全然違う価値基準なんだよということを認め合うのにすごく時間がかかってしまう。だから俯瞰することを止めて、台本の中に飛び込んで人生の中に生きないといけないじゃないですか。それを2か月の稽古の中で作るのはまあまあやっぱり大変だけど、それがお芝居を作ることの難しいことでもあれば面白いことでもありますね。
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この10年で価値観というものは右に行ったり左に行ったりしてますからね。
勝山 
特にSNSが生まれて、今まで言論活動は一部の人しかできなかったのが、今や誰でも言論をリードすることができるようになった。今の言論環境で、昔の人の保守性をなじってしまう事もある。「何故、昔はそんな時代遅れの考え方をしていたのか?」と言われても、思いつかなかったから、なんですよね。役者って大変だと思います。自分たちの経験や価値観に無かったことを作っていこうとするのは大変ですから。

質問 益山 貴司さんから 勝山 修平さんへ

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前回インタビューさせていただいた劇団子供鉅人の益山貴司さんから質問を頂いて生きております。「朝起きて一番に考えることは何ですか?」
勝山 
俺めっちゃ夢見るんですよ。だから、さっきまで見てた夢なんだっけ、です。
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なるほど!松山さんも夢のことを考えるんだそうです。ちなみに私は、完璧に構成されたエンターテイメント作品の夢を見たことがあります。全て完全に忘れましたが。
勝山 
残念ですね。僕は夢で見たお芝居をそのまま台本に書いたことがあります。めっちゃ面白かったんですよ。それが「あかねさす」です。元々ラジオドラマから始めたんですけど、夢の中で観劇してて。夢にしてはもったいないと思って、その日のうちに全部書いて。

質問 新藤 江里子さんから 勝山 修平さんへ

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子供鉅人の制作の新藤さんからも、質問を頂いて来ております。「最近見た中で一番面白かった夢は何ですか?」
勝山 
面白かったというか不思議と言うか、同じ夢ばっかり見るんですけど・・・どこかの堤防を友達と一緒に歩いていて。たまにそういうところで畑とか田んぼとかをやっている家があるじゃないですか。そういう場所の納屋に入ったら農機具がいっぱい置いてあって、「この納屋の持ち主はこれでいっぱい人を殺してるんじゃないか、俺達がここに入ってることがバレたら殺されるんじゃないか」という夢を繰り返し見るんです。
__ 
その夢、何かを示唆しているかもしれませんね。

デザイナーとしての勝山さん

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勝山さんはデザイナーでもあるんですよね。月曜劇団の「ゆるやかな結び」のチラシがここにありますが、大変可愛いですね。
勝山 
これは本当にオーダー通りにやらせてもらいました。スクラッチアートとか、色んなものが緩やかに結ばれてるもの、と聞いて。でも色々な素材を集めてきても、そこに共通点がないから結ばれてるわけじゃない。だからひとりで色んな素材を描いている方の絵を使わせていただきました。なので僕が担当したのはレイアウトとタイトルロゴだけです。どの団体の時でも思うんですけど、結局、僕は僕が作れるものしか作れないので。なるべくその劇団さんのカラーと、オーダーに合うものを作ろうと思います。変に何か自分を出してしまうと悪い意味で目立ってしまう。逆に、どれだけ自分の色を出さないようにしてもどうしても出てしまう。だから自分を殺そうとも思ってなくて。後はまあ、見やすいものを作ろうと思ってます。
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今回の「詩と再生」のチラシも何か示唆しているような感じがしますね。色々な文字が人の前に選択肢としてあるけれども、果たして私はそれほど本当に自由に選んでいるのだろうか、みたいな。
勝山 
言葉も自分の感情も人の言葉も、実際にはよくわからないじゃないですか。どれだけ確信を持っていたとしてもなかなか共有できない。今回に関してはお客さんには漠然と楽しんでもらえたらいいなと思ってます。ニュアンス的には「はじめてのラブレター」です。気持ちを伝えたいけど、何か比喩を入れてしまったりとかで価値を底上げしようと思うけどすごく怖い。これを書いたら余計いらないことになってしまわないか。そういう風に慎重になりながら言葉を紡いでいるお芝居になればいいなと思っています。

ロディア スクリプト ボールペン 0.7mm

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今日はお話を伺えたお礼にプレゼントを持って参りました。ただ、実はちょっと勝山さんの好みを把握しきれずに買ったものですので、もしお好みが合わなければ他の方に譲渡していただいて大丈夫です。
勝山 
ありがとうございます(開ける)これは僕が文房具が好きだということを知っていたんでしょうか・・・しかも僕が一番大好きな赤色じゃないですか。
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実はチラシの色と合わせたかったんですが、微妙に違って。
勝山 
凄いですね~。僕、赤色大好きです。
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なんとなくそんな気がしていました。
勝山 
しかもボールペンですか。
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シャープペンだと稽古の時に使いづらいので。カチカチ音がしたり、稽古場に芯が落ちたりするので。
勝山 
ちょっと怖いなと思いました・・・僕、ボールペンばっかり集めてるんですよ。
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これは持ってましたか?
勝山 
持ってません。しかも7ミリじゃないですか。
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ただ、そのペンのシャフトの表面がザラついてるタイプなんですよ。そこが一番重要なのでちょっと不安でした。
勝山 
ボールペンと時計は何個あってもいいですね。その日の気分で替えているので。
(インタビュー終了)