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ベトナムからの笑い声 vol.23 ベトナムイサン

ベトナムからの笑い声
vol.23
ベトナムイサン

ベトナムからの笑い声

忙しい年度末

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今日はお忙しい所、ありがとうございます。来月2月からは精華演劇祭もあり、本当にご多忙かと思いますが。
丸井
そうですね、今、何本か企画が並行して進んでいるので。例えば今やっているCONNECTとか。それから精華演劇祭Vol.9が間もなくですし、それから立誠小学校での「RISSEI SHOW」の準備や、演劇計画の山下残の公演と。
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年度末に、詰め詰めですね。そんな2007年度が終わる訳ですが、丸井さんにとってどのような1年でしたか。
丸井
もうちょっとちゃんとしなきゃ、という。何というか、こうなったらいいなという所にまで中々到達しないなという感じですね。
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というのは。
丸井
企画段階に立てた理想に、実際の作業なり能力なりが追いついていない感じ。それが激しく露呈した1年でした。もう少し精度を上げたいなあと思いますね。

それは面白いの?

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今回の精華演劇祭に「ベトナムからの笑い声」も出展される訳ですが、「天覧コント」
丸井
はい。
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私は非常に・・・すごいと。
丸井
いやあね、色んな人に「ようやった」と言われました。
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ですよね・・・。
丸井
僕らは、あのお方の事を意識して作った訳ではないんですけど、見ている人は凄い意識が行ったみたいですね。
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びっくりしましたね。丸井さんが代表を務める「ベトナムからの笑い声」、実は4回くらいしか見てないんですが、ひたすら笑えますよね。
丸井
いや、でも2年ぐらい前からかな、作家の妄想が暴走している気があって。客席に(笑い声を)押し殺して笑っている人はいるんですが、それが全く舞台にいる人間に伝わっておらず、結果完全にウケなかったという作品がいくつかあるんですよ。もう、シーンていう。
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アンケートとかの反応が乏しいとか。
丸井
面白い作品だったら感想が書かれるけど、全然取り上げられなかったという。一番最初にそうなったのは「もっこり係長」という、エロ4コマ漫画の作品の登場人物がコタツの中から顔だけ出して喋るボヤキ漫才で、コタツの後ろに実際の漫画がスライドで出るという話だったんだけど。
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ええ。
丸井
これがもう、本当にウケなくって。
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ああ・・・。
丸井
客席では、数人が押し殺して笑ってたみたいなんだけど、ネタがネタだけにオープンに笑えなくて。
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なるほど。
丸井
舞台上の二人は下ネタをやってウケへんという事態に耐えられへんかったらしくて。もう、本当に大変な思いをしながら楽日まで乗り切りました。それを皮切りに、黒川が出してくる台本やアイデアに、本人がこれはウケると思っていても完全にスベる、というのが時々出てきますね。
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なるほど。
丸井
最近一番受けなかったのは、「村おこし」というコントで。これがめちゃめちゃシュールな作品だったんですね。もうそれは、何が面白いのか僕レベルでも分からへん。
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何らかのルールが念頭にあって、それを実現させるべくしてイッちゃったというのが、私の認識ではシュールという感じなんですけど。
丸井
うん。黒川曰く、会話劇の会話ではなく、本当にリアルな日常会話をそのままやろうとしたんですよ。絶対に成功しないであろう村起しの会議を、集会場でダベってたらこんな感じやろうというのを。
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もう見ている人には、文脈やそこで使われているネタが全然分からないし。
丸井
そうそう。
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それを再現しようとしたんですか。
丸井
うん。
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それは・・・。
丸井
それは面白いの?って何度か聞いたんですけどね。ツボに嵌った人は、やっぱりクスクス笑ってたらしいんですが。とにかく、最近は常に爆笑するような作品ばかりではなくなってきていますね。
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黒川さんは、どこに行こうとしているのでしょうか。
丸井
まあ、本人の中では、バランスを取ってやっているみたいですね。幸い、ベトナムの公演はオムニバス形式ですし、公演プログラムで釣合いを取る事が出来ますから。
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次の精華演劇祭、演題の選定の基準はどうなりますか。
丸井
割と、黒川含め劇団員が「単純に面白いからこれをやったらいいんじゃないか」というのを選んでいますね。もちろん、時間的な制約や俳優の出演バランスも鑑みて決定していますが。

京都舞台芸術協会

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次は、丸井さんと京都舞台芸術協会について伺っていければと思います。現在、丸井さんは協会ではどのような役割をされているのでしょうか。
丸井
事務局長ですね。まあ、雑用一般です。理事が5人いて、不定期的に理事会をやってるんですけど、そのレジュメの作成と会議後の報告を書いて、とかですね。会計事務もしたり。
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お忙しいですね。
丸井
そうですね。NPO法人になったんで、必要な手続きだとか公的な届出書類とかをまとめたりしています。任意団体だった時とは違い、事務作業が増えましたね。
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なるほど。最近の協会の動きとしては、どのような。
丸井
2006年の4月から、理事は今のメンバーに変わったんですけど。出来る事をやろうという話になったんですね。
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というのは。
丸井
今協会は事務局員がいなくなって、実質仕事が出来るのは理事だけなんですね。でも理事はそれぞれ、自分の劇団や仕事があるので協会に割ける時間は限られているんですね。それ以上の仕事をしようとすると凄い負荷が掛かるので・・・。出来ない事をやりますと言ったってしょうがない。催しをどんどんやっていくというよりは、ネットワーク化だとか、創作の為の環境整備ですとか、意見交換の場の提供だとか、そういう地味な活動に方針をシフトしていますね。
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環境整備ですか。
丸井
舞台芸術創作・発表の為の環境整備ですね。それは実は、協会が発足した理由なんですよ。京都芸術センターの設立時に、舞台芸術団体へのヒアリングを行う為の窓口として作られ、機能してたんですね。その時に環境整備という事を謳っており、現在に続いているんですけど。
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そうでしたか。
丸井
だから、京都は今他の都市と比べて、創作の環境としては整ってきてはいるんですね。
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大学の使用されていない教室とかを使わなくて済みますね。
丸井
そうですね。で、今環境整備として何が必要なのかというと協会内部でも意見がバラバラになっていて。それを取りまとめる為の話合いもされています。

演劇でないとダメな企画

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丸井さんにとって、演劇をプロデュースするにあたってのポリシーなどはありますか?
丸井
まあ、一応制作もクリエイティブなので、オリジナリティを出せればと考えてますね。表現と同じで、「もうやられていない事なんてないんだ」という人もいますけどね。それでも「この作品は他とは違う」という事をアピールしなければならないので。
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そうですね。見た事もないようなインパクトのチラシと、その衝撃を裏切らない作品があったら。
丸井
中々ないですよね。
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色々、プロデュースでの公演も手がけておられる訳ですが、そもそも演劇である理由とは。
丸井
うん、実は順番は逆で。もう、お芝居しか出来なくなっているんですわ。
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おお。
丸井
高校から始めて大学を卒業しても就職活動せず、1年間フリーターをした後に京都芸術センターに入ったので、他の事を考えるヒマもなかったし。成り行きっていうのはでかい。
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成り行き。
丸井
ただ、成り行きでそうなったとは言え、演劇でないとダメな企画でないと意味がないとは思っています。それは自分以外でもあちこちで聞かれますね。

受け入れられやすい条件

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演劇と言えば、まず演出の方法についてがその話題の主たるものとなると思うんですが。最近、作品の導入について考えることがありまして。まあ我々観客は普通の服を着て劇場に行きますよね。で、舞台でもとりあえず、普通の服を着て常識と日本語が通じるならばある程度理解出来る作品がやってます。こうした形式の場合、やっぱり観客を乗せて行くには、導入が普通というか、低いところから入る必要があるのではないかと。いきなり異世界の話から入っていかれても付いていけないんじゃないかなあと思ったんですが、地点を見るとそうでもなく。
丸井
地点は服はそんなにおかしくないけどね。
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ええ。演出する人間と観客との関係作りって、演出家・作品によって方法がとても個性的ですよね。
丸井
僕最近、思っている事があって。作品の中には私的な主張と公的な主張があって、これが両方ないと駄目なんじゃないかと思っていて。
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両方。
丸井
作品を作り始める時には私的な理由があって、それがパブリックな方向に広がっているかどうかというのが、受け入れられやすい条件になるんじゃないかなと思っていて。
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ええ。
丸井
「地点」の作品は、あれだけ変な演出をしておきながら言ってる事は普遍的な事だったりする訳でしょう。それが受け入れられる理由じゃないかなあと。
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確かに。
丸井
しかも、それが観客に分かる、伝わるという所まで到達しているのが凄い所だと思う。
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そうですね、人間コインゲームと「経済と家族」というテーマが同居してましたね。
丸井
結局、作品とお客さんがどこで繋がるかという話で。普遍的なテーマがあると割と繋がりやすい。そうすると受け入れられやすい。個人的な衝動で作られた作品は、ピンポイントで嵌る人はいるんだけれども、一般化されないので、どうしても蚊帳の外になってしまう。繋がる回路がないというか。
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細いというか。
丸井
だから、そういう普遍的な話にいかないといけないんじゃないかなあと思う。
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なるほど。今後、そういう辺りに気を付けて観てみようと思います。

醍醐味

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今後、丸井さんはプロデューサーとしてどんな感じで攻めていかれますか。
丸井
ちょっと、M_Produceを頑張ろうと思っていて。行政とずっと仕事をしていて、そればっかりやっていると自分と言うものが無いような気になってしまうんですね。もちろん、行政と仕事をするのは嫌いじゃなくて好きだし、自分が無い感じも嫌いじゃないんですけど、存在感が無いぞ自分は、という。
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なるほど。
丸井
今後はベトナムと並行して、M_Produceの公演を年1回でもやろうと思います。
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確か、「演劇らしい演劇にしよう」という抱負がBLOGに書かれていたかと思うんですが、それは具体的にどのような事なのでしょうか。
丸井
いや、まだ見えてないんですね。漠然と「醍醐味を堪能出来る作品」という事を企画書に書いているんですけど。
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醍醐味。
丸井
それは、一つはやっぱり、演劇でしか作れない作品という事に繋がるんですけど、それだけじゃなくて、・・・「何か、お芝居を見る事ややる事はもうちょっと面白い事だった筈だぞ」という思いがあるんですね。まあ、一つ考えたい事は、観劇そのものですね。演劇は、必ず劇場に行かなければ見れないじゃないですか。
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そうですね。
丸井
映画は(作品自体は)家に居ても見れる。でも、演劇作品のDVDとなると、映画のようには行かない。同じ作品を見るにしてもでも全然違う体験になっちゃうので、お芝居というのは基本的に劇場に行かなければならないんですね。わざわざ足を運んで。
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その通りです。
丸井
しかも映画だったら1〜2週間は上演しているけども、演劇は一週の内の週末だけだったりする。見に行く人は、かなり調整しなければならないんですね。それを逆に、楽しみに変えられないかなあと思っています。
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逆にですか。
丸井
その為の制作や宣伝方法を自分なりに考えようと思っています。そこは作品の醍醐味というよりは、見る醍醐味になるんですが。
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例えば行った事のない土地の劇場を見るとか。
丸井
または普段行く劇場なんだけれども、周りにこんな事があるよ、とか、芝居を見た後の過ごし方とか。
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芝居を見る楽しみですか・・・。でも、それを知らない人にとってはどうなんでしょうね。そういう人達にとっては、店置きのチラシを見てくれても、「ふーん」て言って元に戻してしまうんだろうなあと。興味のない人は本当に興味がない、という当たり前の事なんですけど、これは、演劇に関わり始めた当初から考えている事なんですが。
丸井
難しいね。・・・これは全くの妄想なんだけれども。最近、分からない事や不可解なものへは手を出さないという風潮があるかもしれないなあ。例えばミニシアターやギャラリーへの客足というのも減ってるんじゃなかろうかと。
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だから、逆にそこに訴求する宣伝活動が出来れば理想的、という事なんですかね。
丸井
そうそう。

お子さん用のマフラー

murai_present

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今日は貴重なお話を伺えたお礼としてプレゼントがあります。お子さん用のマフラーですね。
丸井
ありがとうございます。喜ぶと思います。
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最初は帽子を買おうと思っていたんですが、サイズが分からなくて。
丸井
丁度良かった。今子供が気に入ってる帽子があるので。
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そうでしたか。危なかった。
(インタビュー終了)