『白くもなく、さほど巨大でもない塔を覗き込む、ガリヴァー』 2

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今日の稽古はいかがでしたか?
田中 
今までの稽古とは違って、ちょっと緊張しました。3回目の通し稽古でしたが、私のやることも増えてきて。
森谷 
僕の場合はやることがあんまり変わらなくて。なんだかやっぱり、芝居をしてる時以外の仕事をテキパキ動かないといけないなと思っています。ゲストの方への対応だとか、スタッフさんへの配布用の台本の準備だとか。緊張する時間がない状態で通しに入っていくので。
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いいポジションですね。本番10日前ですが、それぞれどんな気持ちですか?
森谷 
今はすごく楽しみです。これまで見に来てくださった関係者の方には、やっぱりリアクションしていただくとすごく嬉しいです。早く見に来ていただきたいです。
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私も今日通し稽古を拝見しましたが、笑えるところはめちゃくちゃ笑いましたね。
田中 
笑い声が聞こえてきて、すごく安心しました。
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全然大丈夫です。そういう仕上がりになっています。
田中 
良かった。10日後に本番という実感がまだあまりなくて。でも以前衛星に出演した時とは違い、劇団員として出演するのは今回が初めてなので気を引き締めていきたいと思います。
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気を引き締められますか?
田中 
今回は刺激的な役をやっていますけど、頑張ります。
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ガリヴァー。やりがいがあるとしたらどんなところですか?
田中 
私は多分、他の方に比べて出演する時間とセリフが少ないんですけど、その中でどれだけ印象付けられるかなと。そこに気をつけていますね。
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少ない出番の中で。
田中 
人畜無害のバリボリドゥティカ役でいかにセクシーを極められるか。うまくできた時はやりがいを感じます。
森谷 
僕の場合は、最初から最後までいるので。その中でちょくちょく転換点と言うかスイッチを入れる役どころなので。その時はやりがいがあります。そこは総じて好きなシーンです。
1劇団衛星5月新作公演『白くもなく、さほど巨大でもない塔を覗き込む、ガリヴァー』
作・演出:蓮行
舞台は、日本教育方法工学会。とある会場では、ハートウォーミングアクティビティ(HWA)にまつわるセッションが行われていた。1つめの口頭発表が終わり、デジタルデバイスを活用した質疑応答の時間、異彩を放つ「彼」の質問を、司会者は思わず取り上げてしまい…。

本編上演:2018年5月11日(金)-13日(日)/18日(金)-20日(日) (8stage)
5月11日(金)19:30開演
5月12日(土)14:00開演/19:00開演
5月13日(日)14:00開演
5月18日(金)19:30開演
5月19日(土)14:00開演/19:00開演
5月20日(日)14:00開演

関連企画:2018年5月11日(金)-20日(日)

キャスト:
【出演】ファック ジャパン・黒木陽子・紙本明子
田中沙穂・森谷A・渡邊 B 智也
佐々木峻一(努力クラブ)・阿僧祇(演劇集団Q) ・ 蓮行
他、日替わりゲスト

スタッフ:

作・演出:蓮行  演出補:西井桃子
舞台監督:渡川知彦 舞台監督補佐:脇田友
舞台美術:大原渉平(劇団しようよ)
照明:木内ひとみ
音響:島崎健史(ドキドキぼーいず)
映像:中田光昭
宣伝美術:大原渉平(劇団しようよ)
制作補佐:大石達起(IN SITU) 田中直樹(劇団ひととせ/劇団未踏座)
プロデューサー:植村純子

会場:
KAIKA / AKIKAN(京都市下京区岩戸山町440 江村ビル2F/3F)

料金:
「学会員」で参加観劇するか「非学会員」で覗き込むか・・・
二つの楽しみ方ができるお席をご用意しております。
学会員(参加型):
¥3000/一般会員
¥2000/学生会員
学会員には、積極的に作品にご参加いただきます。座席は会場前方の「学会員席」になります。

非学会員:
¥3500/一般
¥2500/学生
鑑賞のみご希望の方向け。座席は会場後方の「非学会員席」になります。

関連企画追加:
¥500/1PROGRAM

チケット購入

※全て、観劇+関連企画1プログラム参加or粗品付き。
※本編観劇・関連企画それぞれ日時指定が必要です。
(複数の関連企画への参加を希望する場合、合わせて追加申し込みできます)

※チケットご購入後のキャンセルは出来かねますのでご了承ください。
※未就学児童の入場はご遠慮ください。

ズレていく演技の味

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今回はとても色々な要素が絡まっている作品だなと思います。演劇的にというだけじゃなくて、テクノロジーを使っている上に、観客が参加する場を組み込ませているから、テンポがズレたりしたのが邪魔だと思ったり、ちょうど良かったりもする。どういうことかと言うと、大学関係者という政治的な身体と、演劇人という身体、そして役柄演技の身体が入り乱れて、オカルト的奇妙さが漂うまでに複雑なんですよね。稽古場ではそういうズレが意識して演出されているのでしょうか。
森谷 
まだテンポがあっていないだけだと思いますね。それは今後詰めていくんじゃないかと思います。
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魅力的な生感・グダグダ感を意図的に残すべきなのか。それとも消していくのか。個人的にはいい味だと思いますので、このまま上演してほしいですけどね。
田中 
グダグダ感というのは、例えばキッカケが合わないということなんでしょうか。
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それもそうなんですけど、バックグラウンドが全く違う人間たちの体の動かし方を政治的身体のありようとすると、それぞれのコミュニケーションのスレ違いが滅法面白いんですよ。その味がこの作品のテーマなんじゃないかなと思っていて。
田中 
その辺りは言ってましたね、植村さんとか。そこが上手く伝わったらいいんですけど、伝わらなかったらもったいないなと。
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何て衛星らしい作品なんだと思いました。そういう賭けに出るのがね。

今回挑戦したい事と、演劇を始めたキッカケ

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今回の作品で挑戦したいことはありますか?
森谷 
僕自身は、衛星の公演に出させていただくこと自体が初めてですし。所属していたACT以外の場所で舞台に出るのも3回目なので。挑戦というよりも、まずは自分を覚えてもらいたいと思います。
田中 
私は、今回の公演に出ること自体がひとつの挑戦ですね。
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なるほど。次の質問。お二人が演劇を始めたきっかけを教えてください。
田中 
演劇を始めたのは中学校の頃からです。元々声の仕事がやりたいと思っていたんですが、隣りに住んでいた子が俳優事務所に入っていて、「演劇の勉強をしてみたら」と勧められて入ったのがキッカケです。
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劇団ひまわりですね。
田中 
はい。今年の3月まで入っていました。
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森谷さんは。
森谷 
僕は大学生から始めました。新歓でクラブに入り損ねて。学部の友達に「人が少ないから見学に来てくれないか」とACTに誘われまして。先輩が優しかったのと、元々僕は、演劇とはちょっと違いますかコントとか映画が好きだったので。そしてそのまま続けているという感じです。京都学生演劇祭のドラフト指名で蓮行さんに指名を受けました。僕はそこにいなかったんですけど後日連絡を受けました。

非日常演劇に参加するということ

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ガリヴァー。個人的にはこれぐらい変わっていなければ衛星の作品だとは言えないと思ってるんですけど、演劇の良さを生かしたというわけではないなと思っている。かなりお客さんの解釈能力に依っているような気がする。ついていけないお客さんは退屈かもしれない。残りの10日間でその辺りを調整していくとは思いますが。ただ私はこのまま上演してほしいと思っています。この味を残して欲しい。まあ、面白さの価値基準が今までにないような、そんな作品だと思いますね。後半の10分で全てを間に合わせるみたいな。
森谷 
僕は演劇って、結構、何をやってもいいのかなと思っているのです。ACTで作るのはスタンダードな演劇なんですけど、初めての客演で参加した舞台が、本当に何をやってもいいという感じだったので。「スーパーマツモト2」という。自分が死ななければ何をやってもいいのかなと。そういう意味では今回は全然、演劇してるなと思ってます。
田中 
私もひまわりにいた時は、先生によって降ってくる台本が様々なのでびっくりすることはなかったです。ワクワク感は強いです。

質問 福井 裕孝さんから 森谷Aと田中沙穂さんへ

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前回インタビューさせて頂いた、福井裕孝さんから質問をいただいてきております。「なぜ俳優を続けているのですか?」
田中 
私は演劇を続けようと思った時に東京に行くことは考えていなかったんですよ。ひまわりに入っていて、俳優の道の厳しさは身にしみて感じていたので。東京にとりあえず行くというよりは、今までやってきた場所で経験を積んで行きたいなと思っていたからです。個人的に大きい目標があって、それは衛星だったら叶えられるのかなと思っていて。
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その目標とは何ですか?
田中 
大学生の時に東アジアについて勉強していまして、自分の勉強を活かして、日韓中で演劇を通した文化交流を促進していきたいと思っています。衛星だったらそれが実現できるじゃないかなと思っています。言語も喋れないわけではないので、自分の能力を活かしていきたいと思ってます。
森谷 
僕の場合は、ACTで色々やらせてもらった経験を通して、自分の起こした行動に対してお客さんがリアクションを返してくれたりするのがすごく気持ちが良くて。ACTでよくやっていたいたエチュードとか。好きだからですね。演じることが。
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是非衛星にこだわらず、色々な所で舞台に立ってほしいと思います。

身体

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今回はとりわけふわふわした芝居ですが、身体をどう持って行きたいですか?テンションを保ったりだとかそういう意味で。
田中 
今回のお芝居では二つ役をいただいているんですが、役毎に違ったテンションで動かしていきたいなと思ってます。
森谷 
僕は、今回の作品では仲間がいるときといないときでかなり違うので。一人だけの時はぼーっとしてるんですけど。後半はちょっと気が張りますよね。気は張ってますけど大事なところが抜けてるから、ああいう運命になってしまうんですけどね。

緊張してます

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田中さんから森谷さんに何かありますか。
田中 
森谷さんとは同じ時期に入団した割にあんまりまだ仲良くなれてないんですよ。お互い忙しいのもあるし、私自身が人見知りというところもあるので。そうですね、これから上手く打ち解けられたらいいなと思ってます。宜しくお願いします。
森谷 
こちらこそ。本当に、未だに緊張するんですよ、KAIKAに来るときは。小脇にも長く居れないんですよ、あの静かな場所に入っていくのが。お疲れ様でしたと言って帰って行く時にも緊張しているので。
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私もいまだに緊張しますけどね。衛星は、自分の領分で責任を持った仕事をやるのは当然で、その仕事に対して色々な立場で検討出来る人が評価されるんじゃないかなと思う。効率的に、だったり、後先や周囲の事を考えたり、予想したりだとか。つまり仕事の深さと同じく主体性が評価される気がする。

これからよろしく

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今後、どんな感じで攻めて行かれますか?
森谷 
とにかく自分のことを知ってもらうことですね。ACT自体が、あまり開かれていない山の上でやっていた劇団なので、まずは京都の方に自分の存在を知ってもらうことがやりたいことです。
田中 
私はもちろんお芝居が大好きなんですけど、さっきも言った通り文化交流の促進にも積極的に活動していきたいので。割とオールマイティにお芝居に関わっていきたいです。

林檎柄の手ぬぐいとビーフジャーキー

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今日はですね、お話を伺えたお礼にプレゼントを持って参りました。
田中 
ありがとうございます。
森谷 
あ、これは!ビーフジャーキー。いいですね。ありがとうございます。
田中 
わー、手ぬぐい。可愛い。ありがとうございます。
(インタビュー終了)