おとついまでワークショップ

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今日はよろしくお願いいたします。
山本
よろしくお願いいたします。
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はい。
山本
ふふ。
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最近どうですか。
山本
最近ですか、最近と言いますか。おとついまでワークショップを東京まで受けてきました。
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ああ・・・。どんなワークショップだったんでしょう。
山本
日本演出家協会の国際部が企画した、イスラエル人の女性の演出家の方のワークショップで。
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5日間くらいですか。
山本
いえ、一週間くらい。
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そんなにですか。凄いですね。お芝居の技とか、そういうのを。
山本
技というより、俳優のトレーニングもしながら、シーンも作るというような。俳優と演出家どちらも対象だったんですよ。
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はい。
山本
結果的に、どちらが比重が大きかったか分からないんですけど。中々説明出来ないなあ。
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いえいえ。
(注 インタビュー実施日は2007年の夏です)

マレビトの会の場合

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次は、マレビトの会ですね。もう稽古は始まっているんでしょうか。
山本
始まっていますね。
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マレビトの稽古って、どんな感じで進んでいるんでしょうか。
山本
そうですね・・・。
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やはり、台本に合わせて。
山本
そうですね。やりながら、演出家が指示を出していく感じですね。
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ああ・・・。なるほど。普通ですね。
山本
あはは。でも、普通のお芝居だったら例えば「ここはこういう台詞だからこう動くってのを役者がある程度作ると思うんですけど、マレビトの場合は、脈絡が演出家にしか分からない状況が続く場合があるので。
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そこを皆さんで作っていくと。
山本
いえ、演出家が主に。俳優は細かいディティールを作るというか。
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そうでしたか。
山本
マレビトの会をご覧になったことは。
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何回かありますね。「島式・・・」と。
山本
ああ、「島式」を見て下さったんですね
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あと「王女A」と、「パライゾノート」と。「蜻蛉」は見てないですね。
山本
「アウトダフェ」は・・・?
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「アウトダフェ」、見てますね。
山本
どうでした。
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面白かったです。訳が分からなかったですけど。
山本
(少し笑う)
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でも、何故かシーンがとてもハッキリしていて具体的で、見やすかったですね。但し連続しているように思えない。あくまで松田さんの中では成り立っている構成が、やっぱり我々には見えないというゆらゆらした状況が面白かったですね。
山本
ふ〜ん。何か嬉しいです。ありがとう。
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マレビトの会の俳優である時に、気を付けている事はありますか?または、ご自分のテーマでも結構です。
山本
そうですね。当たり前やろうけど(笑う)、一生懸命やろうと。
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ああ。一生懸命。
山本
松田さんが最初の頃よくおっしゃっていたのが、「切実にやれ」と。
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はい。
山本
一生懸命やろうっていうのはそういう意味なんですけど。

ドゥエンデ

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今後、俳優として目指していく方向とかは。
山本
今回のワークショップでもつくづく思ったんですけど、自分の演技の浅さなどを痛感しました。深めていきたいと思います。
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深めていく。深い演技とは、具体的にどのような事を指すのでしょうか。
山本
具体的に。
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いや、別に抽象的にでも結構なんですけど。
山本
・・・いや、ワークショップ行った直後で、普段思ってる事と見聞きしてきた事が混ざってね、普段のが・・・。
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一週間もですしね。
山本
今回受けてきたのはルティ・カネルさんというイスラエルの演出家の方のワークショップで、テキストにした戯曲が「ロルカ」っていう人の作品なんですけど。
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ロルカ。全然知らないです。
山本
スペインの劇作家で、今回はその人の「血の婚礼」と「イエルマ」っていう本を使いました。で、ワークショップの前に役が決まっていて。各自これだけ覚えてきて下さいって。
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はい。
山本
で、戯曲だけじゃなくて基礎的な身体の使い方とか声の出し方とかもやったんですけど。・・・その、「ドゥエンデ」という言葉があるんですって。
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はい。
山本
芸術の精神という意味で、それは自分をも殺す事が出来る炎なんだと。これがないと意味がないという話で。使ったテキストは、既婚女性が夫ではない人を好きになったりとか、子供が欲しいけど出来ないとか、強い欲望を持った人たちが出てくる、割とドロドロした話なんですが、それを事前に読んで、考えていったんですけどもう全然あかんと。
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ああ。
山本
もう全然何もない。私なりには考えてるし、やってるつもりだったし、表現してるつもりだったんですけど。いや、実際やってみたら、自分でも全然何もないわと思ったんですけど。で、このロルカという人は同性愛者で。
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ええ。
山本
当時この同性愛は今以上に社会に受け入れられない。人に話せない。なので、ロルカは、自分の心情を男女の話に置き換えて作品を作ってて。ルティさんがジプシーの音楽を聴かせてくれたりもして。でその中で、ほんまに自分が浅いという事を感じて。
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はい。
山本
で、私も、そういうのが芝居には必要やなと思うし、そうでなかったらやってる意味もないなと。
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そのドゥエンデが。
山本
マレビトでも松田さんが「切実にやれ」と仰ってたりしていて。
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なるほど。

ワンダリングパーティー

山本
ワンダリングパーティーを見に来ていただいているんですよね。ありがとうございます。
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いえいえ。大変面白かったです。
山本
本当ですか。
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本当に。これまでのワンパとは全然違う感じでしたよね。
山本
そうですね、ワンパはご覧になった事があるんですか?
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ええと、3年ぐらい前から見始めたんですけど。
山本
ちょっと最近、傾向が変わって。いつ頃から変わったと思いますか。
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iPodが出てきたあたりですかね。
山本
「21世紀旗手」。
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ええ。そして前回の「オルターナティブ・グリフ」ですが、いい感じで前衛でしたね。
山本
ありがとうございます。
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ヘンリー・ダーガーをなぞったり。それとはまた別軸で陰惨な事件があったりと、ある意味オルタナティブな構成というか。
山本
いやあ、嬉しいです。何か賛否両論だったような。あの発話の仕方とか。
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いえ、ああいう方法を、自分達で作っていってるという。とても挑戦的でした。
山本
正にそうなんです。
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あと、義助と刑事が話すシーンで、前触れなく照明がパツンて切れるのが面白かったですね。
山本
ありがとうございます。実は昨日東京で、「ヘンリー・ダーガー展」を見てきたんです。
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ああ、そうなんですか。どうでしたか。
山本
画集はいっぱい見てたんで。凄い人だかりでしたよ。
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ああー。

「生まれいづる前の悩み」

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山本さんは、もとは劇団飛び道具の方なんですよね。もう、何年ぐらいになりますか。役者を始められて。
山本
13年。短大の演劇部に入った時はスタッフだったんですよ。そんなに熱心にやってた訳ではなくて。公演も年に一本くらいで。本格的に始めたのは飛び道具の旗揚げ公演でした。
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なんていう公演でしょうか。
山本
「21世紀の森」。その時は卒業してました。誘ってもらって。
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なるほど。
山本
フリーでやってたのは、5、6年ですね。
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その中で、出演された中で印象の深いものはありますか。これは私の人生を変えられた、というような。
山本
・・・飛び道具の「生まれいづる前の悩み」という第二回公演が。飛んだり跳ねたりする芝居だったんですけど。私そんなの絶対出来ないと思ってたんですけど。あれが一つ、自分が変わるキッカケになりましたね。
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どんな風に変わられたんですか。
山本
それまで単純に、自分にはこれは出来ないとかいうのが無数にあったんですね。明るい役は出来ないとか、無茶苦茶な(笑う)。
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はい。
山本
それはお芝居を始めたばっかりだったからでしょうけども。いきなり意味なく飛んだり跳ねたりするなんて絶対出来ないと思って出演するのが恐怖だったんですが、単純に公演が終わった後私にもこんなことが出来るんだと。しかも本番がちょっと楽しかった。それまでは、芝居を続けていくか迷ってたんですが、続けることに決めて入団しました。
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なるほど。
山本
今は出来ないかもしれませんけど(笑う)。

京都にずっと

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山本さんは京都にずっといらっしゃいますけど、お芝居を続けるにあたって京都にいるメリットというのはありますか?
山本
まあ、いい土壌があるという感じがしますね。作品を作るにあたっての。もちろん、メディアに出て行こうと思ったらむちゃくちゃ不利ですけど。
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そうですね。稽古場がタダで使える事もありますしね。
山本
そうですね。どうなんですかね、他の土地を知らないからですけどね。割とこう、面白い事が出来る人があちこちにいて。お互い、刺激しあえていい感じなんちゃうかなと。でも東京でもそうでしょうしね。
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はい、まあそうでしょうね。
山本
あとは、何なんですかね。
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まあ、のんびりしてますしね。
山本
でもやっぱり京都がいいなというのは、京都の人だから思うだけですかね。

relacher trois roundsのベルト

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今日はですね、お話を伺えたお礼にプレゼントがあります。
山本
いやあ、ありがとうございます。
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いえいえ。どうぞ。
山本
開けてもよろしいですか?
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どうぞ。
山本
やったー。(開ける。ベルト)これ、どこで・・・?
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新風館の洋品店ですね。
山本
(開ける)いやうれしい。私、ベルトこれ一本しか持ってないんですよ。
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それ、どこでも穴を通せるみたいなんですよ。
山本
合理的ですね。

(インタビュー終了)