|
|
|
|
- __
- 今日は、宜しくお願い致します。
- 四葉
- 宜しくお願いします。
- __
- 最近は、10月の卒業公演の準備ですよね。もうレパも選び終わったとの事でしたが。

- 四葉
- レパ選の時はまだ書き上がってない状態だったんですよ。その状態で選んでもらったんです。今はキャストを選び終わって、練習が始まったところです。
- __
- 今回はどんなお話なんですか?
- 四葉
- 遊郭のお話です。でも学生劇団の長所はエネルギッシュな舞台ですので、それを生かしたいなあと思ってます。私は本来、暗い話が好きなんですけど、明るくしようと。日本のお祭りをテーマにして、遊郭と任侠の世界観を兼ね合わせたお祭り芝居を作ろうとしています。
- __
- それは楽しみですね。
- 四葉
- あれだけいっぱいの人数をこうしてああして、というのが難しくて。緊張しますね。

- __
- なるほど。
レパ- 台本のこと。月光斜ではこう呼ぶ。
あれだけいっぱいの人数- 月光斜所属の団員は多い為、一つの公演期間中団員をまとめるのは自然と演出に委ねられる。
超特盛り秋祭り
- __
- 卒業公演の事についてもう少し伺いたいと思います。私がいた頃の劇団月光斜はエンタメ路線だったんですよ。今回もそういう・・・?
- 四葉
- エンタメっていうと、刀とかが出てきて殺陣をやったりするものだと思うんですけど、今回はちょっと違います。というよりはドタバタですね。お祭りにしたくて、キャッチコピーは「超特盛り秋祭り」という。
- __
- あ、お祭りですか。
- 四葉
- 人生は祭りだ!というテーマにしようと、この間ミーティングで決めました。
- __
- なるほど。作品のタイトルは。
- 四葉
- 「さくたま!〜異説!伊達娘恋緋鹿子」といいます。これは八百屋お七と石川五右衛門の話なんですけど、この二人は歴史上絶対に絡まないじゃないですか。でも、二人とも処刑されていて、自分の道を貫いて死んだというところが似ていると思っているんです。
- __
- あ、じゃあフィクションという感じですか。
- 四葉
- いえ、どちらもそれぞれ本人ではなく、五右衛門は石川五右衛門に憧れていて、お七も火が好きな女の子という設定なんですよ。内容的には少年少女向けのお話です。他の登場人物も、歴史上の人物の名前を仮に付けているだけで、みんな憧れているだけなんです。でも、そういう人たちなりの不器用な生き方やしんどい人間関係をうわあって詰め込んで、でも最後はお祭りにするという事がしたいと思います。
- __
- 最後がお祭りっていう運びがいいですね。
- 四葉
- でもそこにいくまでの人間関係を、ちゃんと濃密に描きたいと思っています。学生劇団だから、ウリにするのはワイワイしているところなんだけど、それだけじゃないものも作るべきだと思っていて。
- __
- 分かりました。さて、学生劇団となると、やっぱり基本的な演技指導が稽古のかなりの部分を占めると思うんですが、これについてはどんな方針を取られますか?
- 四葉
- そうですね。私が前に中野劇団さんに出演させてもらった時、演出の中野さんとお話していて、私自身がやっぱり演技のスタイルがまだ全然定まっていない役者だったので、演技指導するとなると大変だなと。

- __
- なるほど。
- 四葉
- 特に望む事となると、私のレパは最初から最後までその人の思っている事を盛り込んだセリフを書いているんで、キャラに巻き込まれないようにしてほしいですね。突き詰めていくと、「この人は凄く不器用で、要領が悪くて、でも一つの事だけは凄く信じられる人だよ」という見解を与えて、それが役者自身とリンクする部分を引き出していきたいなと思います。その役者さんが理解出来る感情を、一番伝えやすい形でしてくれればいいなと。さらには、演技する事の楽しさを1回生の子にも教えてあげられればいいなと思います。
- __
- でも、大変そうですね。
- 四葉
- 学生劇団は特に、演出という役割にサークル内の関係を取り持つ役回りが求められるんですよね。例えばスタッフ間の連携とか、公演準備期間中の雰囲気とかを調整するのが演出なんで。演出が揺らぐと、みんなしんどくなってしまうんです。皆に分かりやすく、楽しく進めていければいいなと思いますね。ちょっと話がややこしくなっちゃったんですけど、雰囲気作りと、役者がやり易いスタイルを引き出すというのが二本柱かなと思います。
中野さん- 中野劇団主宰。四葉さんは「楽屋ちゃん 2008」に女子高生役で出演。
劇団員の手売りについて
- __
- ちなみに、四葉さんは今後もお芝居を続けていかれるのでしょうか?
- 四葉
- いえ、私は普通に就職するつもりです。ただ、お芝居の世界には関わっていく予定です。エンターテイメント系の企業に就職が決まっているので。まあ、卒業出来ればですが(笑う)。でも、自分でクリエイトするのはもしかしたらこれで最後かもしれないですね。その分、この卒業公演には力を入れています。
- __
- なるほど。就職されるんですね。ちなみに内定は。
- 四葉
- はい、もう頂いています。そこで勤めて、お芝居の事をもっと広めていきたいなと。
- __
- 広める。
- 四葉
- 今のアマチュア劇団の人たちって、チケットを売るのって大変じゃないですか。どうしても知り合いに手売りするしかない。ぶっちゃけ、知り合いしか見に来ない。もっと効果的に広く売って行けるシステムを働いていく中で考えて行こうと思っています。本当は劇団を続けていきたかったんですけど、そのままでは社会に関われないと思ったんですね。
- __
- そうかもしれませんね。ちょっと話は戻って、劇団員の手売りについて。最近は例えば、一つの公演の予約をホームページなどで予約が出来るところが大多数です。でも、そういうシステムが用意されているのはいいんですが、例えば参加者が多い作品ほど集客率が良かったりするのを見ると、やっぱり手売りだなと。とすると、大多数の見に来ない人から見たら「何か内向きな事やってるな」みたいな偏見が付いていたりするんでしょうねえ。
- 四葉
- そうなんですよ。「ああ、ガンバって」みたいな。劇団四季とかはまだ、みんな何となく四季の作品をテレビで見て知っているから受け止められているけど。
- __
- 四季も宝塚も、独立して認められていますからね。芝居を見る、というレジャーの選択肢の一番最初に来ていて、その下には何もないというか。
- 四葉
- 映画を見るのと同じようにあってほしいんですけどね。フランスやイギリスとかだと結構身近で、例えば地域に劇団と劇場が根付いていて、週末にみんなで見に行くみたいなテンションらしくて。日本にはそういうのはないですね。
- __
- そうですね。
- 四葉
- でも、例えば新感線に見に行くお客さんはファンを始め、幅広い客層がいますよね。チケットがいくら高くて、つまり敷居が高い舞台にお客さんが沢山入っていて、逆に敷居が低いはずの小劇場には入らない。何かなーって思います。
- __
- 果たして、小劇場を見に行くというオプションはいつ加わるのか、ですね。
- 四葉
- そうですね。小劇場ってクローズな印象の人が多いと思われているから、というのもあるかもしれませんが。
- __
- 確かに。
一番身近な劇場
- __
- そういった、小劇場の世界がありますと。それとは別に、学生劇団という世界がまた別にありますよね。この二つは案外離れているように思えます。例えば私が劇団月光斜にいた頃の卒業公演の動員が750名を越えた事があったんですよ。これは小劇場の劇団からすれば驚異的な数字で。
- 四葉
- あ、実はそれ以降に800人行ったこともあるんです。でも今は落ち着いていますね。
- __
- でも凄いですよね。いくつか要因があるとしたら、学内での宣伝がし易い事。同じ大学内という事で、お客さん(=学生)の囲い込みが出来る、というのがあると思います。チケットも安いですしね。
- 四葉
- それと、関わる人が多いからかもしれないですね。
- __
- ああ、友達という事で手売りし易いという。それでも、買ってくれるというのには何か理由があると思います。もしかしたら、大学に入学して初めて触れる演劇で、新鮮だから見に行くのかも。というのは、高校の演劇部が文化祭でやるのを見るのとは全く別だと思われているんじゃないかなと。観劇体験への憧れみたいな。それは逆に言うと、そこでつまらないと感じればもう劇場には来ない。そういう観客のサイクルがあると思います。
- 四葉
- そうですね。確かに。
- __
- でも、学生にとっては一番身近な劇場として、学生劇団は依然として存在していますよね。
- 四葉
- 友達が出ているから嫌々見に来たという人が芝居に感動して、結局入団したという例もあります。ハマる子は本当にハマるんですよね。そういう掛け橋の一つとしては良いものだと思います。
- __
- ええ。もちろん、やる側にとっても良い環境ですね。そういう、背負わなさがもしかしたら見やすさ・来やすさの大きい要因かもしれない。劇団月光斜は特に。
サークル仲間というよりは仕事仲間
- __
- 学生劇団そのものについて、もう少しお話をさせて頂きたいと思います。まず、劇団活動というのは捉えようによっては非常に仕事的だなと感じておりまして。自分たちで成果物を準備して、宣伝して、お客さんにお金を払って貰って、様々な段取りをして、終わらせるという。次回公演があれば反省して、もっと良い方向を探るなりしますね。例えば趣味でやっているにしても「お仕事」としての側面が強いのが演劇だと思うんです。それを学生の内から体験するというのは、実はその後の社会生活にも良い影響があるのではないかと考えているんですよ。
- 四葉
- そうですね。サークル気分で入った子が一番最初に辞めちゃうのが劇団月光斜なんですよ。まず部署がはっきり分かれていて、参加するごとに自分が何をすればより良い作品になるのか、という事が分かるようになるんですね。1回生でも、「俺やってやるぜ」っていう意識を持った人がどんどん伸びていきますね。みんな目の色が変わっていくんですよ。自分がそうしたいと思っていって、例えば他の劇団を見に行ったりして勉強すると、技術的にも成長するんです。それは、他の世界についても同じだと思います。厳しい話ですけど、劇団月光斜はそういうところですね。
- __
- ええ。
- 四葉
- 本当に、自分の役割を意識する場なので、人生においてとても重要な事を学んでいると思いますね。3年間やっているとそう思います。後輩を見ていても、最初は頼りなかった子が、今は頼りがいのあるメンバーになっているんですよ。私的には、サークル仲間というよりは仕事仲間ですね。そういう意識は、他の部活とは違うと思います。
- __
- そうした中で、成功する公演のカギとはどのようなものですか?
- 四葉
- 大きく二つあると思うんですよ。作品のクオリティの高さと、公演期間中のチームの調和性です。作品のクオリティが高くても、ムードが悪い場合もありますし、その逆もあります。私は、そのどちらも必要だと思っています。特に、今回の卒公はそうですね。ただ、集団なので、クオリティを重視する人もいれば、仲良くやりたい人もいるんです。そういう人たちを取りまとめるのがめっちゃ難しいんですよ。
- __
- 演出ということで、そういうマネージャー的な仕事もあるんですね。
- 四葉
- 正直悩みどころですね。それはどんなサークルも同じだと思うんですが。でも、みんないい公演にしようというのは変わらない筈だから。頑張ろうと思います。
歩いていく
- __
- さて、今後、石川さんはどんな感じで攻めていかれますか。
- 四葉
- そうですね。私自身としては、演劇の世界に残るかどうかは分からないんですけど、一生関わりたいなと思っています。いかにこの面白いものを世の中に広めていけるか、という意識もありますし、演劇自体を他の色んな角度から見ていきたいという思いもあります。
- __
- というと。
- 四葉
- 抽象的な言い方になりますけど、演劇には色々な見方・関わり方があるんじゃないかなと思うんですが、それを作りだしていきたいと思うんです。役者も機会があればやりたいし、書くのも、または企画するのもやってみたいですね。私が人生の中で芝居でどれだけ遊べるか、という。私は多分、一生芝居と一緒に歩いていくと思いますね。
- __
- ご自身で、どうしてそこまで演劇が好きなんだと思われますか?
- 四葉
- うーん。ハマりこんだら抜けられないタイプなんだと思うんですね。何だかんだいって、好きな事をずっとやっている人をかっこいいと思うんですね。視野が狭くなるのは怖いんですが、でもこれを中心にして色々な人と会っていければ、いろんな人や物事を繋げていければと。で、今までやってきた演劇を選んだんですよ。両親にも、これは譲れないから、と言ってますね。
- __
- なるほど。
- __
- さて、前回インタビューさせて頂きました、クールキャッツ高杉さんから質問を頂戴してきております。ちなみに、お知り合いではありませんか?
- 四葉
- いえ、会った事はないんですけど知ってます。
- __
- その方からの質問です。
- 四葉
- え、あたしにですか?
- __
- はい。1.好きな異性のタイプは?
- 四葉
- (笑う)そうですね、自分の芯がある男の人です。別に格好良くなくてもいいから、これだけは譲れないものを持っている人。「バッカだなー」とか言いながら付いていくと思います。
- __
- 2.月光斜に入って楽しかったことは。
- 四葉
- そうですね。いっぱいあるんだけど、人と人との出会いかな。公演後の6ステで、「こんなたくさんの人と関わったんだなー」とぼーっと考えるのが楽しいですね。
- __
- あ、6ステまだあるんですね。ちょっと安心した。3.好きな女優さんは。
- 四葉
- 真野絵里さんです。

- __
- どんなところが。
- 四葉
- すごくおしとやかなんですけど心の中に凄い情熱を持っているんですよ。鋭い目線で、演出の考えている事を読んだりとか。あまり人には言わないのに、聞いたら絶対教えてくれて、たおやかさというか。本当に凄い人だなと思います。
真野絵里さん- 女優。四葉さんとは中野劇団「楽屋ちゃん 2008」で共演。
お菓子ボックスとコインチョコ
- __
- さて、四葉さんにお話を伺えたお礼にプレゼントがあります。
- 四葉
- ありがとうございます! 開けていいですか?
- __
- どうぞ。
- 四葉
- プレゼントを開ける時って、ドキドキしますよね(開ける)。コインチョコですか?凄い、タイムリーですね。
- __
- あ、そうなんですか。
- 四葉
- 卒公の芝居にコインが出てくるんですよ。ありがとうございます。
- __
- 一応、月光斜のBOXのお菓子入れみたいな感じで使って下さればと思います。
- 四葉
- ありがとうございます。元々あったんですが、他のに使われて無くなっちゃってるんで。これ置いておこうかな。すっごい可愛いです。
(インタビュー終了)
| |
|